TG以外のカードについて 与太話エクスパンション
理論上シナジーはあるが採用はしづらいカード、アクセスしやすいが使い道のないカードなどについて書く。遊戯王wikiをいじるのが面倒という理由でこういうのを書いてるけどあそこにすら書けないような内容になってきた。
モンスターカード
《ラインモンスター スピア・ホイール》
レベル3地属性獣戦士族。場のレベル3獣戦士を対象としタンホイザーゲートを発動できる。
TGではワーウルフを対象に効果を発動することでS召喚のレベルの水増しやランク6のX召喚を行える。また自身のレベルが3である必要はないため、強化蘇生で場に出しワーウルフと並べるとランク7に派生できる。
天璣を共有でき事故率が減るなどそれらしい理由はこじつけられるが、一発芸以上の動きができないのが難点。数年前にやろうとしていたのを思い出したので備忘録として書いておく。ちなみに実際のX召喚に成功したことは一度たりともない。
《ジュラック・ヴェルヒプト》
素材の打点の合計を打点にするレベル5の恐竜族Sモンスター。ダメージ計算を行わずに相手のセットモンスターを破壊できる。
恐竜族のSモンスターは数が少なく素材に要求する条件も厳しいが、TGではスクリュー・サーペント+ブースター・ラプトルで容易にS召喚できる。EXデッキから恐竜族を調達することで究極伝導恐獣の召喚コストを賄える。
召喚難易度が高いだけで場に出ても使い道はほぼない。先述の方法でS召喚したところで打点は1700打点止まり。ブラック・ガーデンのようなカードでセットを強要できればいいのかもしれないが実際上出番はない。どうしてもEXデッキから恐竜族を調達したいならリプロドクスとか簡易プラグティカルとかでいいんじゃないか。まあでも変なモンスターをパッと出せるのはちょっと嬉しいよね。ちょっと嬉しい。
《氷結のフィッツジェラルド》
星5水属性悪魔族で攻守2500という色々と珍しいステータスのSモンスター。戦闘時に相手の魔法・罠の発動を封じる永続効果、単騎で場にいる際に戦闘破壊されると手札を切って自己再生する強制効果を持つ。
縛りが妙に厳しいということで知られるが、ギア・ゾンビとラッシュ・ライノにより容易に出せるようになった。出してどうすんの?モンスター効果も封殺できればアルマデスの代わりに使ったかもしれない。サーチしたTGを手札コストにできるのは辛うじてシナジーと呼べなくもないのかもしれないが、強制効果なのでリソースを吐かされるだけ吐かされて終わりそう。
《氷結界の虎王ドゥローレン》
水属性非チューナーを要求する星6獣族Sモンスター。自分の場の表側カードをバウンスし一時的に打点を上げる効果を持つ。ドリル・フィッシュの登場によりスクリュー・サーペントやスター・ガーディアンと絡めて出せるようになった。TGデッキでは天璣を回収でき、ラッシュ・ライノとは幻獣の角を共有できる。
一時的とはいえ星6で3000以上の打点を狙えるのは1つの利点だが、要求される下準備に見合っているとは言いづらい。ヴァルカンとかノートゥングとかでよくない?幻獣の角も到底現代で通用するカードではなくなってしまった。
メインデッキに特殊なギミックを仕込まずセルフバウンスの要素を組み込めるというのはメリットではあるので何かの拍子に実用レベルになってくれるかもしれない。夢はあるよね。
《白闘気一角》
水属性チューナーを要求する星7のSモンスター。S召喚成功時に墓地の魚族1体を蘇生する効果、相手によって破壊された場合墓地の水属性を除外することでチューナーとして再生する効果を持つ。水属性チューナーはあまり充実していないが、スクリュー・サーペントの登場によりワーウルフを蘇生し簡単に出せるようになった。
簡単に出せるようにはなったが、2500打点が数回再生したところで大して強くもないしチューナー化を活かす方法もないのが現状。魚族に出張してシーラカンスを釣るとかならこの限りではないかもしれない。
ちなみにドリル・フィッシュが蘇生効果に対応しているが、蘇生したモンスターにはそのターン中の攻撃制約が付くため単体で除去に回ることはできない。できたところでどうしようもない気はする。
《聖騎士の追想 イゾルデ》
戦士族2体を素材とするLモンスター。L召喚成功時に戦士族をサーチし、デッキの装備魔法を墓地に送ることで戦士族をリクルートできる。ハリファイバーの代用としてしばしば話題に上がるカード。
ところでトライデント・ランチャーから出すTGの筆頭候補は「スクリュー・サーペント+タンクラーヴァ+星1もしくは2の非チューナー」の組み合わせであり、特にタンク・ラーヴァの確保とL素材の調達を同時に行えるのがハリファイバーの強みとされるが、イゾルデから出せるTGチューナーはストライカーのみ。タンク・ラーヴァを経由しない場合でも星5Sモンスターを2体並べる程度なら容易だが、スクリュー・サーペント+適当な展開要因からトライデント・ランチャーを出すだけでも同様の動きはでき、消費やお膳立てに釣り合っているとはいいがたい。
素材を並べるのも困難。展開に便利な戦士族としてはいわゆるハルベルトブレード、ストライカーを蘇生できジャンク・スピーダーに対応するジャンク・シンクロン、ナチュルSモンスターの素材としても有用な切り込み隊長やマジック・ストライカーなどが挙げられるが、いずれもTGとのシナジーは特になく、安定してイゾルデを出すため大量に採用するとなればデッキの回りにも大きく影響してくる。スター・ガーディアンとストライカーを並べてL召喚することもできるが、このためにスター・ガーディアンの効果を使ってしまうとそのターン中の展開は困難となる。
デッキ内に装備魔法を要求されることもネック。単体でも優秀な月鏡の盾・大量展開と噛み合っている団結の力・使い切りの除去となる聖剣アロンダイトなど採用圏内のカードは複数あるものの、基本的にはTGや出しやすいレベル帯のSモンスターとのシナジーはなく、また事故率の上昇に見合った恩恵もないように思われる。
強いてメリットを挙げるなら、開闢のようなアクセスしづらい後続をサーチしつつ展開につながるのはハリファイバーにはない特徴といえる。
《ユニオン・キャリア―》
種族または属性の共通する2体を素材とする光属性・機械族Lモンスター。L召喚したターンにL素材にできないルール効果、種族または属性の共通するモンスターをデーモンの斧としてデッキから装備させる効果を持つ。
「装備カードとして破壊されてもサーチ効果が発動できる」というTGの隠れた効果を活かす手段はこれまで強制転移+機皇帝やコアキメイル・ウォーアームズくらいだったが*1、これを真っ当に運用できる手段としてはこのカードが初か。
上記のイゾルデに比べても明らかに素材の制限が緩い。下級TGは(ギアゾンビとメタルスケルトンがアンデット族なのを除いて)種族がばらけており、また炎を除く5属性を揃えているため、他のテーマとの混合でも単体でもL召喚が容易となっている。単体で2000打点になったり黒庭で1500打点になったりラッシュライノやパワグラやチャンバライダーが少々太くなったりする程度なのでお世辞にも強いとは言いがたいが、メインデッキのカードが軒並み弱い上トライデント・ランチャーの素材に別途スロットを要するTGでは中継役として十分機能しうる。具体的には単体で無になりがちなスケープ・ゴートをクラウソラスなどの専用枠を割かずに後続付きのクロックに変換できるとか。自分で書いてて思ったけどこのデッキ本当にしょうもないな。
マグネット・リバースに対応し積極的に召喚を狙えるモンスターはハリファイバーやカタストル程度だったが、機械族Lモンスターであるこのカードも蘇生・帰還が可能。L召喚したターンに素材にできない・TGチューナーを直接リクルートできない・あらかじめスターガーディアンを墓地に落とせないなど大きな差はあるものの、墓地や手札にTGを確保できる点はハリファイバーと共通しており、マグネット・リバースのお膳立てとしてはほぼ同じ機能を持っている。トライデントが通らない状況でのマグネットリバースはハリファを壁にする以上の役割がなかったがこっちの方はまだ汎用性があるんじゃないか。
長々と書いたけどそもそもスケゴやマグネットリバースに頼って動かなきゃいけない時点で色々と難しい気がする。単体ではサイバーマジシャンしか装備できないがこちらもたくさん積みたいカードではない。サウザンド・ブレードみたいな無限リソースを突っ込む先にはなれるし素材の縛りも緩いので今後の可能性はあるかもしれない。少なくともコアキメイル・ウォーアームズくんよりは…
魔法カード
《悪夢再び》
守備力0の闇属性モンスター2体をサルベージする通常魔法。TGモンスターではギア・ゾンビ、ワーウルフ、メタル・スケルトンに対応しており、特にワーウルフは天璣で実質6枚に水増しできS素材として墓地にたまりやすい。TG以外の展開要員としては限界竜シュヴァルツシルト、カクリヨノチザクラ、ジェスター・コンフィ、未開域のビッグフット、鉄騎龍ティアマトンなどに対応。星遺物-『星槍』のような一部の手札誘発も条件を満たす。
そこそこのレベルを持ち場に出しやすいワーウルフはS素材として重要であり、リソースが切れた中盤以降での回収もありがたくはあるが、ストライカーやスクリュー・サーペントでトリガーを用意できない状況では十分に活用できず、同時に回収できる面々でこれを補えるようなものも特にないように思われる。このカードの発動条件を満たすのも難しく、序盤で確実に手札で腐る点を無視して採用するに足るリターンも特に思いつかない。対応するモンスター自体は定期的に登場するのでいずれ採用圏内に入る可能性もなくはないが、腐りやすくサーチもできないカードを終盤の1アドのために採用するということ自体が非常に難しい。星槍あたりは一部のデッキに強く出られるのでちょっと期待している。
ちなみにTGには守備力0のモンスターがなぜか7体も存在する。活用法は現状特にないように思われる。
《白の救済》
1ターンに1度だけ墓地の魚族を回収する効果、また相手に破壊されるとデッキの魚族をサーチ・リクルートできる効果を持つ永続魔法。
ドリル・フィッシュが場に特殊召喚しやすいレベル1モンスターなので組み合わせることで黄泉ガエルやサクリファイス・ロータスのような動きができる。
このカード自体をサーチする手段・複数引いた際の活用手段に乏しく、また他の魚族モンスターに汎用性の高いものがないのが難点。強いて挙げるとしてもサイレント・アングラ―くらい?単体である程度強い魚族が出ればもうちょい評価が変わるかもしれない。
罠カード
《竜嵐還帰》
除外されたモンスター1体を特殊召喚する通常罠。出したモンスターはエンドフェイズに手札に戻る。
手軽に除外でき特殊召喚時にも効果を発動できるスクリュー・サーペントを帰還させ、次のターンに再び召喚することでアドバンテージを稼ぐことができる。ブレード・ガンナーの離脱コストやハリファイバーなど除外ゾーンには一定数のモンスターが溜まるため帰還対象は複数用意できる。
TGを2体稼ぐだけなら戦線復帰などでスター・ガーディアンを蘇生→スクリュー・サーペントを回収し特殊召喚といった動きでも十分だが、こちらはスクリュー・サーペントの除外のみで下準備が可能。
難点はモンスター回収以上の役割がないこと。「場に並びやすいが強い動きに派生しづらい」というTGの特徴を良くも悪くも強く反映する。
《スリーカード》
(トークンでない)同名モンスター3体が並んでいなければ発動できないが、相手のカードを3枚破壊できるという通常罠。トライデント・ランチャーの特殊召喚に同名制限はないため、比較的容易に発動条件を満たすことができる。
比較的容易に発動条件を満たすことができるが、実際に採用できるとは思わない。
《スキルドレイン》
場のすべてのモンスターの効果を無効化する永続罠。
TGと相性の良いカードとしてしばしば筆頭候補に挙げられるが、スクリュー・サーペントやトライデント・ランチャーとの相性が致命的に悪いのはともかくとして、打点の低い下級TGでのビートダウンは非常に困難。モンスターへの依存が大きいデッキとの対戦では相対的に使いやすいと言えなくはないが、スクリュー・サーペントを経由せずに高打点Sモンスターにつなげるのは難しく、攻撃力で相手に上回られることもしばしばある。
幻獣の角やバルバロスを採用するタイプも一時期存在したが、スキドレ下でラッシュ・ライノに角を装備しても2400打点止まり。TGとバルバロスのシナジーもほぼなく、獣戦士サポートを活かすとしてもスキドレ炎王のようなデッキにならざるを得ない。
身も蓋もないことを言うと、似たコンセプトのデッキとしてはスキドレ竜星やスキドレ壊獣グレイドルなどより安定したデッキが存在し、現在のTGで採用する場合それ相応の苦戦を強いられることとなる。とはいえ相対的に相性が良いのは事実で、極端に攻撃力の低い下級の効果を重用するデッキに対しては活用できるかもしれない。
スキドレTGというアーキタイプ自体はかつて存在していたが*2、これはあくまでもその時期のメタゲームの産物であり、上述の諸々の通り現在も普遍的に通用するデッキとは言い難い。